Mar 2, 2011
からくりからくさ
「からくりからくさ」という梨木香歩作の本を読んだ。
染色や織物を志す3人と外国人の女の子、4人の共同生活。
途中、それこそ複雑な織物や唐草模様みたいに、
あっちへ繋がりこっちへ伸び、
いったいどこがどうなっているか分からないぞ!という風な、
複雑な人間模様になってくる。なんだか推理小説のような。
だけど、読み終わった後に心に響いたのは、
そんなミステリアスな部分ではなくて、
もっと素朴で根源的な、女の性や宿命についての言葉たち。
「西の魔女が死んだ」を読んだ後の爽やかで、
せつないけれど溌剌とした感じ。(あれ、矛盾してるかな。)
あれとはずっと異質。激しい。
それは私が結婚して、子供を産んだからかもしれないし、
祖母が亡くなったからかもしれない。
どうしてだか、
最近見た映画や小説の中で、母親たちは皆、闇が深い。
ただそこから放たれるパワーというか、
ほとんど表裏一体、ものすごくマイナスでもあってプラスでもある力が凄い。
それも表向きは淡々と、静寂。
機織を静かなリズムで織る女たちの話に本当に感動した。
脈々と繋がっていく家系図。風習。
ひとりでいる間は気づかない。自分まで伸びてきているその線の複雑さと強さ。
そういうことが不自由に思う時もそりゃあ多々あるけれど、
「さて、繋がっていくことの凄さを思い知れ。」と言われた気がする。